運用会社別純資産総額（2017年3月）

投資信託全体の動向

投資信託協会が発表した2017年3月の投資信託概況によると、3月の投資信託（契約型公募投資信託）の設定額（投信会社80社の合計）は8兆4,723億円、解約額は7兆5,673億円、償還額は465億円で、差引き8,585億円の資金純増となりました。運用会社全体の純資産総額は前月末に比べ1,368億円増加（うち、運用等減7,217億円）し、月末には98兆7,743億円となりました。

契約型公募投資信託の純資産総額推移（全社合計）

（データ出所：投資信託協会、単位：100万円）

運用会社別資金増減状況

運用会社別に見ると、資金増加額（設定額から解約額と償還額を足した額を差し引いた額=D）が最も大きかった上位5社は次の通りです。外資系ではレッグ・メイソン・アセット・マネジメントが3月も好調を維持し、順位では3位、資金増加額は約772億円でした。なお、資金増となったのは全80社中48社でした。

運用会社名	資金増加額（単位：百万円）
大　和	283,892
野　村	97,241
三井住友トラスト	88,567
レッグ・メイソン	77,260
ニッセイ	63,095

一方、資金減少額が最も大きかった5社は次の通りです。資金減少額が最も大きかったのは三菱UFJ国際投信で、設定が約9,180億円あったものの、解約が約9,383億円、償還が212億円となったため、差引約415億円の資金減少となりました。

運用会社名	資金減少額（単位：百万円）
三菱UFJ国際	▲ 41,519
岡三	▲ 22,181
BNPパリバ	▲ 14,725
パインブリッジ	▲ 12,028
アムンディ	▲ 9,175

運用による資産増減状況

次に、最も注目される運用による資産増減(E)を見ると、3月の運用がプラス（運用益）となったのは、運用会社80社中27社だけでした。運用による資産増加額が最も大きかった5社は次の通りです。

運用会社名	運用による資産増加額（単位：百万円）
イーストスプリング	9,785
JPモルガン	6,748
レッグ・メイソン	5,264
レオス	4,887
HSBC	4,099

一方、運用による損失額が最も大きかった5社は次の通りで、大手運用会社が名を連ねました。前月比での損失額が最も大きかったのは大和証券投資信託委託で、損失額は約1,569億円でした。

運用会社名	運用による資産減少額（単位：百万円）
大和	▲ 156,909
ＡＭ－Ｏｎｅ	▲ 136,913
フィデリティ	▲ 93,720
日興	▲ 89,237
野村	▲ 79,794

純資産総額の増減状況

次に純資産総額の前月比での増減率を見ると、前月比で純資産総額が増加したのは80社中42社でした。

最も増加率が大きかったのは次の5社でした。1位のりそなアセットマネジメントは、設定額が385億円と大きかったこと、解約が少なかったことが貢献した模様です。

また、3位のレオス・キャピタルワークスは、好成績や各種ファンドアワードの受賞等を背景に資金流入が続いており、更に、運用も約48億円のプラスとなったことから純資産総額は約394億円増加しました。同社が運用するひふみ投信、ひふみプラス、ひふみ年金は、同じマザーファンドを通じて運用を行うため、投資方針や投資銘柄は全く同じです。

運用会社名	純資産総額（単位：百万円）	増加率（前月比）
りそなＡＭ	93,962	+65.5%
ＭＳＶＩＰ	1,217	+37.5%
レオス	185,728	+31.3%
スカイオーシャン	35,111	+15.6%
キャピタル	89,812	+13.4%

一方で、純資産総額の減少率が最も大きかったのは、次の5社でした。トラノテック投信投資顧問は、3月27日に「黒田アクティブジャパン」が償還されたことにより、純資産総額はゼロとなりました。ただ、トラノテック投信投資顧問は（旧）ばんせい投信投資顧問から親会社の変更及び商号変更を経て、TORANOTEC株式会社の100％子会社として再スタートした運用会社です。TOROANOTEC株式会社はフィンテック企業であり、少額投資を可能とする「おつりで投資」アプリ「トラノコ」を開発・提供する会社で、同アプリを利用した資産運用サービスを子会社のトラノテック投信投資顧問を通じて提供すると発表しています。

運用会社名	純資産総額（単位：百万円）	減少率（前月比）
トラノテック	0	▲100%
ＢＮＰパリバ	42,970	▲26.3%
ＳＢＩボンド	8,448	▲6.1%
アストマクス	56,694	▲5.7%
日本アジア	13,674	▲5.7%